ブラジル日本文化福祉協会 – 文協 (概要)

Cerimônia 50 Anos祖国を遠く離れ、異国に移り住んだ初期日本移民にとって、相互扶助を目的とした日本人会は非常に重要な組織でした。経済活動や子弟教育、会員同士の親睦のほか、医療・衛生問題への対処、行政との関係・日本との連絡調整など、日々の生活や日系人が集う特別な行事を支えるものでした。

第2次世界大戦のため団体活動が禁じられ、外国人が組織したものは解散されました。しかし、終戦後には、各地域で日系団体が結成され、1954年のサンパウロ市の市制400周年祭典に参加するために「祭典協力委員会」が発足しましたが、これをきっかけに結社の機運が各地で高まったと言えます。

1955年、協力会の解散総会において、3年後のブラジル日本移民50周年祭に向けた組織委員会の設置が決まりました。 なお、協力会の組織と日系社会の結束精神を恒久に保つために同年12月17日に「サンパウロ日本文化協会」の名称で今の「文協」が創立されました。1968年に、活動範囲の拡大に伴い「ブラジル日本文化協会」に改名し、更に 2006年に事業拡大のために「ブラジル日本文化福祉協会」と改名して、現在に至ります。

サンパウロ市リベルダーデ区に本部を有する「文協」は、会員(個人・法人)からの会費や寄付、講堂、ホール、会議室などの使用料、各種事業収益を収入源として運営されています。

活動はすべてボランティア会員により営まれており、32の専門委員会が日本文化の普及、移民史料の保存・研究、各種交流を中心に、様々な年間事業や日本の伝統行事の実施、要人接待、文化施設(移民史料館、日本館、図書館、国士舘大学スポーツ・センター)の運営管理などにあたっています。

例えば、芸能委員会は国内最大のコロニア芸能祭を毎年開催し、日本伝統芸能の伝承・普及に努めています。コーラス委員会は定期コンサートなどの音楽イベントを実施。青年委員会はスポーツや講演会を通じて交流を深め、他団体の事業にも積極的に参加しています。

また、日本政府高官並びに民間団体代表などのブラジル訪問の際に率先して、他団体に呼びかけて共同で接待、歓迎会等を催します。

近年、事業の拡大並びに充実を図り、社会福祉委員会、文協ネット委員会、文協ビル近代化委員会、日系団体連絡委員会を新設しました。全国日系団体の統合を目指す日系団体連絡委員会は、2007年12月に全国21地域の代表者の参加を得て「第1回文協統合フォーラム」を開催しました。これは、日系団体の活性化につながるものと好評を博し、2008年、2009年に続いて2011年11月にはその第4回会議が行われました。また、2009年より「農業関連集会」を毎年10月に地方文化団体を中心に各市で開催しています。

こうした委員会活動のほかに、地方日系団体の代表者30名が地方理事として運営を助け、文協の基盤を全国に広めています。

2003年9月には文協が率先して5年後のブラジル日本移民100周年の記念事業を総括するためのブラジル日本移民100周年記念協会を組織し、その中心的役割を果たして来ました。特記すべきは、2008年6月に整った記念事業体制のもとに皇太子徳仁親王殿下をお迎えして盛大な祭典を催すことができたことです。

文協は、「ブラジル日系社会の中心的機関として、ブラジル社会において日本文化の継承と普及を促進すると共に、日本においてはブラジル文化の紹介と普及に務め、その目的を持った他団体の事業を奨励し支援する」という理念の下に充実と発展を目指します。

小年表

1954年
サンパウロ市創設400年祭の折に発足した「祭典協力委員会」が日本とブラジルで官民の協力を得て、サンパウロ市イビラプエラ公園に日本館を建設。翌年、日本人協力会の発展的解散という形でサンパウロ日本文化協会(現・ブラジル日本文化福祉協会=文協)が同年設立される。

1958年
三笠宮殿下ご夫妻をお迎えしブラジル日本移民50年祭開催、文協ビルの建設工事着工。

1967年
皇太子明仁親王殿下(今上天皇)と美智子妃殿下のご来伯を記念して、文協ビル内に大講堂建設を決定。1970年9月3日、「皇太子殿下ご来伯記念大講堂」が落成。

1978年
皇太子明仁親王(今上天皇)と美智子妃両殿下をお迎えしブラジル日本移民70周年祭典事業主催、ブラジル日本移民史料館落成。

1988年
皇太子明仁親王(今上天皇)と美智子妃両殿下をお迎えしブラジル日本移民70周年祭典事業主催、ブラジル日本移民史料館落成。

2008年
ブラジル日本移民100周年の記念事業が各地で開催される。皇太子徳仁親王殿下をお迎えしてブラジル日本移民100周年記念式典開催。皇太子徳仁親王殿下、文協ビルと日本館をご訪問, 移民史料館において天皇陛下よりの賜金を拝受する。

 

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