2013年12月24日の官報で、文協ビル文化空間プロジェクト実現のためにルアネー法が認可されたことが公表されました。文協ビル文化空間プロジェクトは、サンパウロ日伯援護協会(援協)の診療所が位置していた文協ビル地階1400,22㎡の土地が関係しています。プロジェクトの主な目的は「文協ビルの保存と部分的復元の実行」で、茶道と関連活動を促進するためのスペースを創造する、文協ビル入り口を拡大する、ブラジル日本移民史料館へのアクセスを改善する、日本料理を含めたフードコートを設置する、多目的文化スペースを拡大する、展示会や各種講座やワークショップを促進することなどを見据えています。
ブラジル連邦政府文化省が、2百21万904レアルの税制上優遇措置(ルアネー法と呼ばれる連邦法第8313)の認可を行なったので、文協ビル文化空間プロジェクト実現のためのその資金を企業や個人から調達することができます。日本にはない法律ですが、ルアネー法とは1991年にコロール大統領によって公布された文化事業を奨励する為の税制恩典で、企業が文化事業に所得税の一部を充てることが出来る寄付免税制度です。法人・個人が納付する法人所得税、所得税の一部を振替え、文化省が認める文化事業へ支援金として支出するというシステムで、法令の立案者が当時の文化庁長官セルジオ・パウロ・ルアネ-氏だったので、ルアネー法と呼ばれるようになりました。
ルアネー法の内容は次のようになっています。
18条-支援金全額を支払税金から控除
26条-支援金の40%、または30%を支払い税金から控除
18条、26条ともに、支払い税金の控除額は基本法人所得税額の4%が限度
今回の文協ビル文化空間プロジェクトは文化奨励法第18条に基づいて認可されたので、支援企業・個人は、課税所得の計算に基づいて所得税の4%の限度を遵守し、支援金全額を支払税金から控除、つまり、所得税支払時に課せられる額の100パーセントの完全免除が与えられます。これは両方が得をする、文化イベントを促進する側とそれを後援する側との間のパートナーシップです。プロジェクトによって所得税を割り当てるにあたって、文化プロジェクト後援者は宣伝活動やマーケティング活動を費用をかけずに行なうことができる、つまりゼロコストの広告ができます。
免税と企業広告のほかにも、後援・支援企業には見返りとして、文化的収入(書籍、CD、DVD、チケット、文化コンサート・イベントの実施、講座、ワークショップなど)や特定のユーザーや広告商品やサービスを対象としたダイレクトマーケティングの実施という利益やメリットもあります。これらの活動は、社会的収入に結び付き、そして大切な点として企業ブランドの価値を高めることになります。
例えば、最近では、ブラジル日本移民百周年を記念し、6月13日から22日まで聖市アニェンビーで行なわれる日本文化週間に対し、連邦政府文化省はルアネー法を適用、6百60万レアル分を認可しました。また、2011年から始まった、花嫁の行進《様々な年代の女性が美容室に集まり、化粧やヘアセットの後、花嫁衣裳を身にまとい、イビラプエラ公 園の前にあるバンデイランテスの像の前に移動し、集合写真を撮影。その後パウリスタ大通りに繰り出すというマルシャ・デ・ノイヴァスという文化行事》についても文化省がルアネー法の適用対象となる文化行事とみなし、今年度の行進には、56万8千レアルの補助が出る可能性が出ています。
ブラジル日本移民史料館運営委員会の発表によると、同館改修工事のためルアネー法を通じてすでにブラジル三井住友銀行から24万レアル、ヤクルトブラジル商工から10万レア ル、サクラ醤油から6万レアル、計40万レアルの寄付金が集まりました。昨年末に政府の認可が下り、12月が納税時期であることも重なって、その後わずか2週間あまりで協力企業が決定しました。ブラジルに進出している日系企業でルアネー法を通しての文化事業援助に関心のある企業もしくは個人の方は、是非文協までお問い合わせください。ルアネー法を通してパートナーシップを結び、共に力を合わせて社会や国を発展させ活性化させる文化事業を実現させましょう。
文協文化空間プロジェクト後援に興味をお持ちの企業は文協事務局までご連絡ください。
住所: Rua São Joaquim, 381, térreo – Liberdade – São Paulo-SP
受付時間:月曜から金曜、9時から17時半まで
電話: (11) 3208-1755
FAX:(11)3208-5519
E-mail:edugoo@bunkyo.org.br 中島エドアルド剛まで