第18回文協桜まつり

日本においてはサクラは開花が話題となる点において、他の植物とは一線を画す存在であり、花の中でも特別な位置を占めています。日本においてサクラは公式には国花ではないものの、国花の一つであるかのように扱われています。

桜の花の下の宴会の花見は風物詩です。サクラの開花時期は3月下旬から4月半ば頃が多く、日本の年度は4月始まりであることや、学校に多くの場合サクラが植えられていることから、人生の転機を彩る花にもなっています。

江戸時代において潔よさを人の模範と見て、桜はしばしば武士道のたとえにされてきました。明治時代に新渡戸稲造が著した『武士道』では「武士道とは日本の象徴たる桜の花のようなもの」と冒頭に記しています。武士道を美徳とした旧日本軍では潔く散る桜が自己犠牲のシンボルとして多用されました。

09そのように桜というのは、言葉では簡単に表現することのできない、非常に美しく、深い意味を持ち、様々なストーリーを思い出させる花です。そんな儚く美しい桜の木々が500本も植えられているサンロッケ市の国士舘大学スポーツセンターを舞台に、6月28、29日(土、日)、第18回文協桜まつりが開催されます。昨年は天候に恵まれたこともあり、過去最高の約2万人が来場しました。

今年の桜まつりの内容を少しだけ紹介いたします。地元産の果物、野菜、花などが販売されます。フードコートも日本料理に加え、イタリア料理、ポルトガル料理、ドイツ料理などが味わえて非常に魅力的です。第18回桜まつりでの新企画は、キンタ・ド・オリバリオ貯蔵庫のワイン樽とぶどうジュースです。最高級のワインとぶどうジュースを堪能できること間違いありません!体育館ではいつものように様々な文化活動が予定されています。茶道、生け花や盆栽の展示の他、生態学に関する展示も計画されています。餅つきや数々の文化ワークショップもにぎわいを見せるでしょう。第3回フォトコンテストも行なわれます。

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世代が変わっても変わらないのは、日本人にとって桜は単なる木ではないということです。桜のある風景は、人生の折々と深く関わり、人々の心をゆさぶってきました。ブラジルにおける日本移民たちは、国の政策や経済で翻弄される中、たくましく生き抜いてきました。桜が日系人の心を支えたともいえるでしょう。彼らは移住先に桜を植え日本と縁を繋いでいきました。その美しい桜がたちまちブラジル中に普及し、日伯の文化交流の輪を広げているのです。

07桜の苗木が日本から持ち込まれたのは1930年前後です。ブラジルの気候・風土に最も適している品種は濃いピンク色の沖縄桜で、その他、雪割桜、ヒマラヤ桜などがあります。確かに、日本では染井吉野が主流なので、ブラジルで見る桜は日本とは異なります。日本の桜のはうが全然きれいだと思う方もいるかもしれません。しかし、移民たちは、自分たちの桜を自分たちの手で育種し、桜の成長を見ながら辛い時期を耐え忍び、多大の苦労をもってそれを文化交流に発展させたのです。桜の歩みは人の歩み、桜の歴史は人の歴史なのです。そんな思い出深い桜を眺めながら、サンロッケで家族や友人と週末を過ごすのはいかがでしょうか。ワールドカップ観戦でブラジルを訪れているみなさんも是非会場に足を運んで、地球の反対側で花開いている日本文化をご鑑賞ください!

第18回桜まつり
日時:2014年6月28,29日 8時から17時
場所:サンロッケ市国士舘大学スポーツセンター
Estrada do Carmo, 801 – Bairro do Carmo – São Roque-SP
入場無料
駐車場:20レアル
問い合わせ:(11) 3208-1755

共催 日伯文化社会統合協会・文協

協力団体
サンパウロ州政府
サンロッケ市役所
在サンパウロ日本国総領事館
JICA
国際交流基金

後援
バルゼン・グランデ・パウリスタ文化体育協会
マイリンキ文化協会
国士館マレットゴルフ協会
コチア青年連絡協議会

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ホンダ
サクラ醤油
アルファ食品

ニュース

祝祭日3月29日,31日の運営について

日頃より当会に対し格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。2024年3月29日(金)の聖金曜日および、31日(日)の復活祭における当会関連施設の運営は以下となります。よろしくお願いいたします。 📌 お問合せ文協事務局:(11) 3208-1755図書館:(11) 97522-6101ブラジル日本移民史料館:(11)

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報告:JICAとブラジルに日系社会における「未来への団結」連携協力覚書署名式

写真:左から清水享在聖総領事, 援協・税田会長,文協・石川会長,県連・市川会長,JICA・江口所長 Foto Bunkyo 「今回の式典は、JICAとブラジル日系団体との関係強化の重要な節目となるものです。今後の交流事業の活性化により、日系社会と日本の関係がさらに深まることが期待されます。」 これは、2月29日に行われたJICAとブラジル日系3団体(文協、援協、県連)との連携協力覚書署名式で挨拶に立った石川レナト文協会長の挨拶の言葉です。

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訃報:ブラジルヤクルト元社長 貞方賢彦氏

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毎月第1水曜日は「文協シネマ&フリマ」の日🎥4月は3日!

毎月第1水曜日に開催する「文協シネマ&フリマ」(シネマの共催:国際交流基金サンパウロ事務所)。2024年4 月は3日(水)です!みなさまのご来場をお待ちしております。 【文協シネマ】 映画名:まあだだよ (監督:黒澤 明)日 時:2024年3月6日(水)13時~場 所:文協ビル大講堂料 金:無料※ポルトガル語字幕付き  映画詳細≫≫≫キネマ旬報WEB

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