日本館60周年記念式典

08日本館は、日本移民を受け入れたブラジルに対する敬意を表したモニュメントです。8月29日、日本館60周年記念式典が開催され、日本館に携わってきた先駆者たちが表彰をされました。また、9月中は様々な日本文化のイベントが開催されました。

日本館

1954年、サンパウロ市創生400年祭の折に建設されたイビラプエラ公園の日本館は、ブラジルと日本の友好交流の象徴です。日本館の建設は、日本政府および日系コロニアの市創生400年祭準備委員会の共同事業として実現されました。設計は東京大学工学博士堀口捨巳氏、施工は伝統的な宮大工としての竹中公務店が担当されています。

資材調達、骨組みは日本で行われ、運送のため一度分解してはるばるサンパウロへと運ばれました。公園内に建設される際には、日本より4名の建築技師と2名の大工が呼び寄せられ、さらにサンパウロ州各地より十数名がボランティアとして参加しました。

公園の西側に突出した半島状のエリアに建てられた日本館は、「本館部」と、展示場を含む「付属館部」から成り、「渡り廊下」でつながっています。周りには池と日本庭園があり、総面積は7500㎡に及びます。

本館部は、日本建築の最も伝統的な様式と資材が用いられる一方、近代風邸として設計されており、高さ2メートル・広さ80㎡の「大広間」、8畳の「茶室」とそれに付属した4畳の「水屋」から成っています。大広間前面に張り出した広い縁側からは四季折々の美しい庭園と、錦鯉が泳ぐのどかな池が観賞でき、まわりには築地堀がめぐらされています。

建築資材には主に吉野杉、やに松、尾州檜といった日本建築の伝統的な木材を用い、壁は京都の土壁、屋根には尾州一文字瓦を使用しています。転先に銅版が葺いてある茶室と水屋は畳敷きで、障子や襖などが建具として使われています。伝統芸術品の展示場となっている付属館部には、洋風の資材や手法が用いられていますが、設計は日本の伝統建築に則っています。展示場の主な建築資材もはるばる日本より運ばれたものです。同じく庭園も、日本の伝統的な庭作りの手法を用いながら、現代的に設計されています。

日本館全体が、伝統と近代性を融合させる意図のもとに建設されており、日本特有のオリジナリティーを確立した上で西洋と東洋の交流を表現しています。

日本館庭園にはいくつかの石碑があり、その中には日本移民を象徴するものや、日本国の著名人が訪伯された際の記念碑も存在します。

111954年、裏千家元千宗興を招き、サンパウロ日本館の茶室の落成式は実施されました。そして、1970年には、ブラジル錦鯉愛好会によりはじめて日本館の池に放流されました。日本館の所蔵美術品は、日本国外務省所有品および篤志家からの寄贈品などが陳列されており、古来日本文化美術品が館内を訪れた人々の興味を与え、有意義に鑑賞することを意図しています。美術品の一部には、サンパウロ市創生400年祭の時から展示されている美術品が多く存在します。様々な時代を巡った゛日本の宝 ゛が並びます。

日本館60年の軌跡

サンパウロ市の重要文化財である日本館は、木造住宅や木橋の修復工事を手がける日本の建設会社、中島工務店により1988年、1998年、そして2013年にすべて無償で日本館の修復工事を行われました。日本国外にある日本館の中におきましても、建物が完全に近い状態でその特性を維持されていることは大変珍しいことです。日本館敷地内には、1978年6月18日皇太子殿下、美智子妃殿下のご来伯を記念してサンパウロ市より贈呈された銅版碑をはじめとする記念モニュメントが並びます。

日本館60周年記念式典

selo Pavilhao 60 anos日本館建設60周年式典は、8月29日(日)午後から行われました。これまでに日本館の建設や運営に携わり貢献された方々が表彰をされました。30日(土)には、焼物の展示会にはじまり、日本伝統音楽の演奏会、そして着物の展示会など日本文化を凝縮したイベントが目白押しです。またイベントは、9月内の週末に定期的に開催される予定です。

今回の日本館60周年記念式典におきまして5つのカテゴリー別に30名以上の方々が表彰を受けられま。残念ながら、表彰対象となる方々の中にはすでにお亡くなりなられた方もいらっしゃいますが、彼らの魂を受け継ぐ子孫が代理として表彰を受ける予定です。
以下がカテゴリーになります。

日本館建設に携わった方々への表彰

日本側協力者 : 竹中工務店、中島工務店、建築家・堀口捨巳、日本ブラジル中央協会、裏千家家元千玄室大宗匠

ブラジル側協力者 : サンパウロ市制400周年祭典総裁・ギレルメ・デ・アルメイダ、フランシスコ・マタラッゾ・ソブリニョ

サンパウロ市制400年祭典日本人協力委員会
文協初代会長・山本喜誉司、宮坂国人、蜂屋専一、羽瀬作良、花城清安
武田俊男、西村一喜、杉田ジョージ

日本館運営委員会 歴代委員長
井上正、若林輝男、小笠原知久、久保田林伍、川合昭
伝田英二、尾西 貞夫

日本館維持管理に携わった方々
自然史研究センター・橋本伍郎、原沢和夫、伊藤誠施、藤井ヤスハル、藤井ローザ

着物の展示会

07日本の伝統ある着物は、飾らない純真さ故に、素晴らしい魅力を持っています。模様、色、生地、袖の長さなどにシンプルかつ美しい特徴を持ち、また礼儀作法要素を備えます。昔は着る人の身分さえも着物の種類で表現されていました。そんな魅力を持った着物は、世界中の人々を引きつけ魅了させます。日本館60周年記念にあたりまして、ブラジル日本移民史料館は着物の素晴らしさを多くの人々に伝えるため、様々な種類の着物を取り揃えて、展示会を開催致しました。

陶芸展示会 ゛道と出会い ゛

日本の陶芸は、移民たちによりブラジルに持ち込まれました。持ち込まれた陶芸品は生活をする上で、必要不可欠なものでした。あらゆる手段として使用された陶芸品は、利便性に加え、美しくもありました。陶芸展示会 ゛道と出会い ゛では、日本伝統文化である陶芸を次世に継承する陶芸家たちが作品を出品しました。また、この展示会には卓越した技術をもった名高い陶芸家らが集いました。

陶芸巨匠:Hideko Honma,Kenjiro Ikoma, Kimi Nii, Kimiko Suenaga, Megumi Yuasa, Mieko Ukeseki, Shoko Suzuki, Shugo Izumi

陶芸家(招待者):Acácia Azevedo, Beamar, Beth Shiroto Yen, Cidraes, Dalcir Ramiro, Fátima Rosa, Ivone Shirahata, Iweth Kusano, Luciane Yukie Sakurada, Marcelo Tokai, Mário Konishi, Massaco Koga, Nádia Saad, Rafael Dai Izumi, René Le Denmat, Ricardo Woo, Ryoko, Sara Carone e Vivi Faria.

展示会管理: Kenjiro Ikoma, Olga Ishida, Eliana Kanki

展示会は、設立75周年記念を迎えたサンタクルス病院と共同で開催され、各陶芸家の1作品の売上げは日本館とサンタクルス病院へ贈与されました。また展示会は9月の最終日曜日まで開催されました。

生け花展示会

097つのブラジル生け花協会(池坊華道会南米支部、池坊華道会ブラジル支部、池坊ラテンアメリカ橘支部、嵯峨流、香月流、草月流、華道山月)が共同で展示会を実施いたしました。また生け花のワークショップが9月毎週日曜日の14時より実施されました。

日本民謡コンサート

ブラジル日本邦楽協会によって、8月30日15時より日本館60周年記念コンサートが実施され、神楽坂トリオ(シェーンキョウメイ、北原民江、ガブリエルレビー)が、また翌日の31日にはダニーロドニックが演奏を致しました。その後、9月中の毎週土日にコンサートは様々な民謡アーティストを迎えました。

記念モニュメントとジャルジン・ブラジル

12日本館60周年記念を迎え、記念モニュメントが芸術家である豊田豊氏により製作されました。モニュメントは日本館の入り口に位置し、2m40cmの高さを誇り、なめらかな剛鉄でできています。

また日本館60周年記念事業の一環として、日本館の禅の庭園真向かいにホンダブラジルによって庭園が作られました。庭園は日伯交流を表し、異なる2つの文化要素が取り込まれています。また、その風景は親しみやすさを感じさせてくれます。

projeto Ricardo Cardim初期日本移民が見てきたセラード地帯と海岸山脈地帯の2種の植生群から15種類が選ばれ構成されています。その中には、絶滅危惧種とされている「パーミット・ジュサーラ」「アオパルガッタ」も含まれています。このブラジル庭園は南米ホンダグループの資金援助とスカイ・ガーデン社のリカルド・カルディン氏の植物監修の協力のもと造園されました。

日本館60周年記念式典・イベントセレモニー

主催:日伯社会文化統合協会

企画:ブラジル日本文化福祉協会

協力:サンパウロ州文化局、サンパウロ市緑化環境局・文化局

在サンパウロ日本国総領事館、国際交流基金サンパウロ文化センター

茶道ブラジル裏千家センター、ブラジル日本邦楽協会

スポンサー:宮坂国人財団、ホンダブラジル 、サンスイプラスチック、サクラ醤油

ブラジルキリン、ホス建設、ゴシル警備サービス、コノセンティデザイン

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