報告:2018年ブラジル日本移民110周年記念 新年祝賀会

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日系人最大のコミュニティがあるこの市の市長であることを、誇りに思います。」サンパウロ市長のジョン・ドリア氏は1月7日、Tivoli Mofarrej São Paulo で開催されたブラジル日本移民110周年記念祭典事業の最初の公式イベントである新年祝賀会に参加した際の挨拶で、こう強調しました。

予定より約10分遅れて、同市の国際関係を担当するブルーノ・コバス副市長と共にホテルのドアに降りたったドリア市長を、110周年記念祭典委員会の役員達が出迎えました。
その足でまずドリア市長は、日本移民に関する史料写真や、ブラジルいけ花協会によって飾られたいけ花をご覧になられ、裏千家ブラジルによってたてられたお茶を召し上がりました 。

その後、380人のゲストが待つ会場に向かったドリア市長は、入り口に待機していた文協コーラスメンバーにもにこやかに挨拶され、その際短い動画を撮影しました。そしてその動画はすぐさま、ソーシャルページ(@jdoriajr)に投稿されました。

暖かい拍手の中入場したドリア市長は、多くの出席者から求められた握手にも快く応じられ、なかなか用意された席まで、たどり着くことができないほどでした。

新年祝賀会 参加団体

180107 110anos Tivoli 01 Gabriel Inamineブラジル日本移民110周年記念祭典の最初の公式イベントに合わせて、この日、裏千家ブラジルセンターが「初釜」を、ブラジルいけ花協会が「初いけ」を披露しました。

この式典の為に、裏千家ブラジルセンターやブラジルいけ花協会、サンパウロ総領事館、ブラジル日本移民110周年祭典委員会の多くのメンバーが、数ヶ月にわたって共に協力し合い準備を進めてきた甲斐あってTivoli Mofarrej São Paulo Hotelで開催された昼食込みの新年祝賀会は、用意した380席全席が満席となる程の大盛況となりました。

また、文協女性コーラス隊によって、日本とブラジルのそれぞれの国歌斉唱、加えて、「1月1日」「きしゃぽっぽ」などの日本の童謡なども披露され、式典に華を添えました 。

昼食の際には、日本の伝統楽器であるShen Ribeiro氏の尺八と、Tamie Kitaharaさんの琴の二重奏によって、「六段の調」と「春の海」が奏でられ、人々を魅了しました。

また、Paulo Murozaki氏(バンドソリン、ギター)、Murozaki Michikoさん(キーボード)、San Jun Yun氏(サクソフォン)、Dior Marcelo da Silva Regis氏(パーカッション)、Miyagawa Nobuyuki氏(ベース)の「NAK」によるバンドにより、日本の曲「茶つみ」や「荒城の月」「ふるさと」を、ブラジルの曲「Feitiço de Oração」「Feitiço da Vila」が演奏され、会場を盛り上げました。

荘厳な式典

180107 110anos Tivoli 34 Gabriel Inamineブラジル日本移民110周年を迎えた今この時、私の抱くこの感情は、決して言葉だけで言い尽くすことができません。

挨拶に立った、ブラジル日本移民110周年記念祭典委員長でもあり、ブラジル日本文化福祉協会の会長でもある呉屋春美会長は、こう話しました。
私もまさしく、移民のうちの一人であり、60年前、私が5歳のときに家族とともにブラジルに到着しました。私たちも、ブラジルに移民した多くの国の人々と同じように、はっきりとした未来を想像することはできませんでしたが、希望だけは大きく持っておりました。」と続き「現在、ブラジルに暮らす日系の子孫達は、すでに第6世を数える時代となっています。私たちが今こうして、ブラジル社会から信用を得て暮らすことができるのは、開拓者達の積み上げた基盤ゆえだと、感謝してもしきれない思いです。 そしてまた、私たち移民を歓迎し、私たちのルーツを残すチャンスを与えてくれた寛大なブラジルにも、感謝の気持ちでいっぱいです。」と語りました。(詳しくは新年の挨拶文をお読みください)

呉屋会長に続いて挨拶に立った、在サンパウロ日本国総領事の野口 泰氏は、日本人のブラジル移民は、ブラジル社会全体の発展に多大なる貢献をしたことは明らかだと話しました 。

ドリア市長は挨拶の中で「私は3回ほど日本を訪ねたことがある。」と話し「活気に満ちていること、秩序正しいふるまい、勤勉さ、日本の国にあるその全てに魅了された。」とし「まさしくそれは、ブラジルの日系移民の中に見るのと同じDNAであった。私たちはこの日系コミュニティーから、多くを学ばなければならない。」と話しました。

最後にドリア市長は日本語で「アケマシテ オメデトウ ゴザイマス。コトシモ ヨロシク オネガイシマス」と挨拶し、会場から大きな拍手が沸きおこりました。

ドリア市長の挨拶の後は、ブラジル都道府県人会連合会の山田 康夫会長の先導によって万歳三唱が行われ、鏡開きへと続きました。

次の予定のため、ブラジル日本移民110周年記念式典行事を担当、統括するコバス副市長を残し、ここで退席を余儀なくされたドリア市長でしたが、入場時と同様多くの出席者からの握手攻めにあったため、会場の出口に向かうまでのほんの短い距離に約10分も要しつつ、名残惜しそうに会場を後にしました。

写真提供:Gabriel Inamine

ニュース

訃報:ブラジルヤクルト元社長 貞方賢彦氏

ブラジルヤクルト元社長で、文協評議員も務めた経験を持つ貞方賢彦(さだかた まさひこ)氏が22日サンパウロ市の病院でお亡くなりになりました。82歳でした。通夜は23日にセミテリオ・ダ・パスで行われました。初七日および四十九日については未定。 貞方氏は、ブラジルヤクルト商工(株)設立メンバーとして同社発展のみならず、ブラジル日本商工会議所会頭として進出企業支援に貢献した数々の功績が認められ、日本国より平成30年(2018年)に旭日双光章が贈られました。当時文協貴賓室において祝賀会を開催し、日系社会全体でその受章を祝いました。≫≫≫報告:2018年秋の叙勲祝賀会 貞方氏の主な活動につてはブラジル日報をご覧ください。≫≫≫訃報=ブラジルヤクルト元社長 貞方賢彦さん 心よりご冥福をお祈りいたします。

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毎月第1水曜日は「文協シネマ&フリマ」の日🎥4月は3日!

毎月第1水曜日に開催する「文協シネマ&フリマ」(シネマの共催:国際交流基金サンパウロ事務所)。2024年4 月は3日(水)です!みなさまのご来場をお待ちしております。 【文協シネマ】 映画名:まあだだよ (監督:黒澤 明)日 時:2024年3月6日(水)13時~場 所:文協ビル大講堂料 金:無料※ポルトガル語字幕付き  映画詳細≫≫≫キネマ旬報WEB

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2º Online Live Palestra-テーマ:アニメ ソング ダンスから見る日本の心 13/abril 16h~

ブラジル日系社会を担うリーダー育成プログラム 既にご存知のように、ブラジル日本移民116周年を迎えた今日、その子孫は約200万人を数えるまでになりました。しかしながら、時の流れと共に日本語を理解しその精神文化に精通する日系人は著しく減少しているのが現状です。それに伴い、ブラジル全土に広がる約400の日系団体は、今後のブラジル日系社会を支える次世代の後継者育成が急務との、共通の課題を有しております。 そこで文協国際交流委員会では、後継者にとって必要なことは先ず祖国「日本」を知ることに始まると考え、昨年より毎月一回、合計11回のオンライン勉強会を開催したところ、大変好評であったため、本年も引き続き開催することと致しました。(2か月に1回 / 第2土曜日)もちろん、日本文化に関心のある非日系人の方々の視聴も歓迎しています。

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