追悼 栗原猛氏

去る1月13日に開催した文協理事会において、昨年12月27日午後7時40分に78歳で逝去された栗原猛氏(東京都出身)を追悼する時間を設けました。

石川島ブラジル造船所(略称イシブラス) の出向社員として

栗原氏は明治大学を1965年に卒業後IHI(石川島播磨重工業)に就職、1985年にはリオ・デ・ジャネイロに現地政府当局とIHIの出資による日本・ブラジル合弁の造船・重工業会社「石川島ブラジル造船所(略称イシブラス)」へ出向、1994年にIHIがブラジルから撤退するまで現地で勤務しました。
1998年からは、サンパウロのIHI事務所所長として働き、そこで定年を迎えました。
その間、妻のヨウコさんとはサンパウロで結婚式を挙げています。
ブラジルと日本の両国を常に往来する人生で、日伯交流にも尽力されました。
栗原氏はブラジルに長く暮らしていたにもかかわらず、常に日本の上級幹部職者のような雰囲気を醸し出し続けていました。
トレードマークでもある上品な白い頭髪と白いあごひげが、それを強調していたと言えます。
また常に控えめな態度であるにもかかわらず、誰からも一目置かれる人物でした。

一人息子であった栗原氏は、100歳の母親の介護にも熱心でしたが、とうとう自分自身の体調を崩され4年ほど前から、熊本県にて治療を受けていました。

文協と栗原氏

理事会では、文協において栗原氏と最も多く行動を共にした中島事務局長より、文協での栗原氏の活動の様子が以下の通り語られました。

「栗原氏が文協の活動に加わったのは2004年のことで、当時のサンパウロ新聞社社長で、強力な文協会員だった水本ヘレナ氏が推薦、そして当時の松尾治副会長からの紹介がきっかけでした。
推薦理由としては、栗原氏は文協の多岐におよぶ日本語での事務作業における強力な助っ人となってくれるだろうということでした。
実際、日本語での文書作成や日本の関連機関との連絡、そして主に当時の文協会長であった上原幸啓氏の心情を日本語の挨拶文に翻訳する作業に携わり、期待以上の活躍をしてくれました。
特に、2004年、日本国の小泉純一郎内閣総理大臣が来伯された際に、大変力になって下さいました。
このように、日本からの要人の受け入れ時はもちろん、在伯の大使館や領事館、JICA、国際交流基金などとの連絡窓口としての役割も果たして下さいました。

また、上原会長の第二期目(2005-2006)に、会長より会長顧問に任命されました。

それ以外にも、日本政府による叙勲受章者祝賀式、新年祝賀会、天皇誕生日祝賀式典、ブラジル日本移民開拓先亡者追悼大法要などの式典にも携わりました。2005年の文協創立50周年記念における様々な企画と運営、そして文協図書委員会が主催する古本市をはじめとする、様々な委員会への協力、また本人の趣味もかねて、にっけい文芸委員会や音楽委員会などは特に積極的に協力してくださいました。

上原会長(2007-2008)の第3期目に、会長顧問を務めるだけでなく、ブラジル日本移民史料館運営委員長にも就任しました。
2008年に、ブラジル日本移民百周年記念式典にご臨席されるためご来伯された徳仁皇太子殿下(当時)が同館をご視察された際には、館内をご案内するという大役もこなされました。

前列左端が栗原氏 ブラジル日本移民史料館9階にて

ブラジル移民百周年を記念するために組織された「ブラジル移民百周年記念協会」の執行委員長に松尾治氏が就任して以来、栗原氏は松尾氏の良きアドバイザーとして存在感を示しました。
同時に、5巻におよぶ「ブラジル日本移民百年史」を手がけた移民百年史日本語版編纂刊行委員会にも多大な協力をして下さいました。」と語りました。

 百周年時に、栗原氏と共に史料館の運営に携わった現ブラジル日本移民史料館運営委員会の山下リジア委員長は「徳仁皇太子殿下(当時)や小泉純一郎内閣総理大臣などの重要な方々のご案内をはじめ、ブラジルを拠点とする日本企業の幹部との関係を築き、重要な財源を史料館に齎してくださいました。」とその活躍ぶりを強調しました。
そして「百周年記念事業の一環として栗原氏と共に立ち上げた『足跡プロジェクト』が大変印象に残っております。
12年経った現在もこのプロジェクトは多くの方々に利用されており、同館の重要な活動のうちのひとつです。」と話しました。

合わせて、「このように栗原氏が2004年以来、なぜここまで献身的に文協の活動に携わったのかと言えば『コロニー=ブラジル日系人社会』の一員として初めて歓迎された文協事務局との連携を継続すべきだと確信していたからです」と中島事務局長は付け加えました。

また、栗原猛氏は、2014から2016年まで、サンパウロ人文科学研究所(人文研)の理事も勤めていました。

2013年には、ブラジルのアマゾン、リオデジャネイロ、サンパウロ、およびブラジル以外の国々において、自身が若い頃の回想録を、万葉集から選んだ一言を使用し「あらたしき 日伯断想」という題名の書籍を発行しています。
栗原が「自分はブラジルのすべての州を知っている」とよく自慢していたことが、つい昨日のことのように思い出されます。

文協の活動を深く理解し、献身的にご協力下さった栗原氏に心より感謝の意を表し、ご冥福をお祈り致します。

ニュース

報告:日系主要6団体主催 ブラジル独立200周年記念パレード

去る9月4日、ブラジル独立200周年を記念して、日系ブラジル人団体が推進したパレードの成功に満足した文協の石川レナト会長は、「素晴らしかった!」と話しました。 「当日の寒さにも関わらず、リベルダーデ大通り沿いを挟んだ左右の歩道に集まった人々は誰も動かず、パレードのグランドフィナーレとなる『ありがとうブラジル』の歌まで見守っていました。」と付け加えました。 文協の西尾ロベルト義弘副会長は、「この市民パレードは、文協の儀典委員会の福原カルロス委員長の長年培た経験があったからこそ、成すことが出来ました。」と述べました。「サンパウロ州軍警騎馬隊と陸軍音楽隊などの参加を得たことでもわかるように、州や市当局の良好な関係を築き、リベルダーデ大通りを封鎖してのパレード開催が可能となったのは福原氏の尽力の賜物です。」と話しました。 ブラジル独立200周年記念パレード関連サイト≫≫≫ 日本情緒あふれる市民パレード

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ブラジル日本移民史料館9階 リニューアルオープン

お待たせいたしました! 去る2022年6月22日のブラジル日本移民史料館9階リニューアルオープニングセレモニーを経て、一般公開が始まりました。 前例のない展示品としては、「日本刀のコレクションスペース」と、アニメや漫画、コスプレ、ジャスピオンなどの戦隊ヒーローのアイテムを揃えた日本のさまざまな時代のアイテムを紹介する「ポップカルチャーコーナー」が挙げられます。 Previous Next

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水曜フリーマーケット👕🍱📚10月5日(水)10時~

毎月第一水曜日に開催する「文協シネマ」と「水曜フリマ」、10月は都合によりフリーマーケットのみの開催となります。多くの方のご来場をお待ちしております。 水曜フリーマーケット 日 時:2022年10月5日(水)10時~15時場 所:文協ビル大講堂前ロビー フリーマーケットには、古着(新品あり)、雑貨、古本、アクセサリー、ハンドメイド作品、和菓子、弁当、お漬物などが出品されます。掘り出し物が見つかるかもしれません!どうぞ、お気軽にお越しください。 ※この水曜フリマは文協図書館が主催しています。出展希望の場合は文協図書館(電話:3208-1755)までお問い合わせください。

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在聖日本国総領事館からのお知らせ:架電による在留状況確認へのご協力のお願い☎10月11日まで

在聖日本国総領事館より以下のお知らせが届きましたので、共有致します。 在留状況確認調査へのご協力のお願いについて この度、外務本省からの指示により、在留邦人の皆様の在留状況及び在留届の記載内容を確認するため、特定の対象者の方に対し、現在も当館管轄内に在住しているかどうか等について当館から電話して確認させていただいております。  架電対象者等は以下のとおりですので、着信があった際にはご協力をお願いいたします。  架電対象者:当館に在留届を提出している「長期滞在者」及び「永住者」のうち、メールアドレスの登録がない方及び当館からのメールが配信できなかった方

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