去る11月5日、文協ビル貴賓室において、農業分野における日系人功労者に対して贈られる「第50回山本喜誉司賞表彰式」が行われました。
新型コロナウイルス感染症拡大防止策のプロトコルに従い、今回は入場者の人数を制限しての開催となりました。
3名の受賞者には、表彰状と花束に加え、石川レナト文協会長より、自身が経営するファゼンダ・アリアンサのコーヒーメーカーが贈呈されました。
表彰式の後は会場をテーヒオに移し乾杯、夕食会へと続きました。
なお3名の受賞者は以下の通りです。 おめでとうございます!
岸本 晟 氏 (81歳/兵庫県出身/サンパウロ市ヴィラ・ソニア在住)
蔬菜類(そさいるい/人工的に栽培して副食物とする草本作物の総称)の育種、カリフラワーをはじめ様々な野菜の交配種、イチゴのウイルス・フリー苗等の開発、肥培管理の指導と普及、またJICAの事業を通じて土壌、肥培管理についての有益な資料を作成しブラジル農業に多大な貢献をなした功績が認められました。
岸本氏は表彰式の受賞者挨拶で、授賞に対する感謝を述べた後、農業技術者としてブラジルに来たこと、その際、山本喜誉司氏が管理するモンテデステ農場で働いていたと話しました。
平上 文雄 氏(72歳/和歌山県出身/サンタ・カタリーナ州サンジョアキン市在住)
リンゴをはじめとする果物の栽培、ワイン用ブドウの生産とワインの製造、それら生産物の流通販売と国外輸出。
生産量と品質は国内屈指。地域の雇用、ビジネス、教育環境分において地域社会へ多大な貢献が認められた。
平上氏は表彰式の受賞者挨拶で、授賞に対する感謝を述べた後、自身が14歳でブラジルの契約農場に到着した時、日系社会では山本喜誉司氏のお通夜がいとなまれており、農場の主人タケナカ・タダシ氏より「山本氏はブラジル日系社会の父」と聞かされ、深く印象に残っていたと話しました。
成田 信義 氏(60歳/二世/プレジデンテ・プルデンテ在住)
成田氏は、ロンドリーナ州立大学を1958年に卒業した農業技術者。
聖州立大学ボツカツ校(UNESP Botucatu)で園芸学の修士号と博士号を取得。
86年から約1年間、秋田県立農業大学校で奨学金を得て技術研修を行う。
現在は聖州アグロフォレストリー技術局の科学研究員として在籍。
ブラジル農業の技術的発展に寄与した実績が認められた。
成田氏は表彰式の受賞者挨拶で、授賞に対する感謝を述べた後、両親は農業移民として来る日も来る日も必死で働き、兄弟全員を大学に通わせてくれた。以来、自分は技術の面でブラジル農業を支える決心をした、と話しました。